三本の矢 2020 5 17

 私は、子どもの頃、テレビの時代劇で、
戦国武将が「1本の矢では簡単に折れるが、
3本まとめると容易に折れない」と言っていたことを覚えています。

書名 官邸コロナ敗戦
著者 乾 正人  ビジネス社

 危機のたびに、安倍政権は危機を乗り切り、
むしろ強化されてきましたが、
今回の新型コロナウイルス対応では、
多くの人から迷走しているように見えるでしょう。
 その原因は、どこにあるのか。
やはり、「三本の矢」が崩れてしまったことが原因でしょう。
 この本から引用しましょう。
官房長官の菅氏が、幹部の人事権を握っている強みを生かして、
全省庁ににらみをきかせ、
首相秘書官の今井氏は、「平成の柳沢吉保」と陰口をたたかれながらも、
首相の「側用人」として官邸官僚をまとめあげ、
国家安全保障局長の谷内氏は、外務事務次官の経験を発揮して、
「首相の名代」として各国を隠密裏に飛び回った。
 内政全般を菅氏、
首相のこまごまとした日程管理と経済政策は今井氏、
外交・安全保障は谷内氏と、
「三本の矢」という神輿の上に安倍首相が乗るという、
バランスがとれた権力構造だった。
(引用、以上)
 今は、谷内氏が官邸から去り、
菅氏と今井氏で不協和音が生じているのではないかと、
週刊誌等で伝えられることがあります。
つまり、「三本の矢」が崩れています。
 安倍政権は、新たな「三本の矢」を作ることができるか。
それが今後の命運を左右するかもしれません。
 ところで、話は変わりますが、
私は、子どもの頃、NHKの大河ドラマで、
石坂浩二が「柳沢吉保」を演じている「元禄太平記」を見たことがあります。
 さて、時の政権は、徳川綱吉から徳川家宣へ変わり、
柳沢吉保は隠居することになったのです。
 しかし、徳川家宣は短命政権でしたので、
実質的には、新井白石の時代になったかもしれません。
 後世の歴史家が、今の時代をどう描くのか。
また「三本の矢」で説明するのか知る由もありません。








































































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